2010年7月22日木曜日

運動選手の本分

柔道の山下泰裕・井上康生両氏がエルサレムでイスラエルとパレスチナの両方の子供を招いて合同の柔道教室を開いたという報道を見た。

井上康生はイギリスに指導者になるための勉強に行くと言う報道をずいぶん前に見て、柔道家が指導者になるのにどうしてイギリスに行かなければならないのだろうと思って以来、すっかり脳裏から消えていたが、日本の柔道家が柔道を教えながらパレスチナとイスラエルの和平に貢献しているのだと知って、とても感動した。

これこそ、運動選手が本領発揮しつつ、世の中に役立つと言う素晴らしい例であると思った。

最近の風潮として、その道で功成り名を遂げると、なぜだか政界に打って出る傾向がある。

「地球を覆うほどの愛」とか言うのは聞こえはいいかもしれないが、その実は何なのだろうか。

直接話を聞いたわけではないから、ものすごく崇高な政治的目的を掲げているのかもしれないけれど、運動選手は自らの得意分野でこそ本領を発揮できるという気がする。

そして、さらにがっかりするのは何をするのかがまったく見えてこない候補者に投票する人が何十万人もいる日本の国である。しっかりしようよ。

2010年7月13日火曜日

参議院選挙

神奈川県の松沢県知事が今回の参院選挙について、「衆院選で約束したマニフェストを何一つ実現できず、選挙に勝つための道具としてもてあそんだ罰が当たった」と記者団に語ったそうだ。

まさにその通りだと思う。

消費税の問題などはどうでも良いことだ。

民主党が選挙前にやるべきだったのは、去年のマニフェストの総括だった。総括していなかったわけではないようで、どこかで手前味噌の自己満足的な総括は見掛けたような気がする。

そして総理も「普天間や金と政治の問題はクリアした」とどこかの街頭演説でおっしゃった。

どこがクリアしたのでしょうか。沖縄はまったく納得していない。口蹄疫も畜産家の方たちの支援策はどうなったのだろうか。金と政治については、ただ顔ぶれをチェンジしただけでしょう。

だいたい「財源はある」と去年大言壮語していたのはどうなったのか。

そんなものはなかったし、見つからなかったのだから、まず「申し訳ない」と謝って欲しかった。

それなのに、謝るどころか事業仕分けの顔みたいな人がきつい顔をますますきつくして、あちこちで選挙の顔となっていた。

民意が大事と言いつつ、民意で落選した大臣をいくら任期が残り少ないとはいえそのまま続けさせるというのもどうなのか。議員でない大臣がいても構わないと思うが、落選して議員でなくなった大臣なんて前代未聞ではないのか。

そして菅総理大臣。鳩山政権から引き継いだ時もそう思ったのだが、分が悪くなるとか、総理の椅子が目の前とか、そうした時には必ず「触らぬ神にたたりなし」的態度になるのは止めていただきたい。

総理大臣と横綱は何があっても正々堂々と正面から敵に相対し、敵がどんな手段に出てこようとも、がっぷりと受け止めて鮮やかに裁いていただきたい。白鵬には期待できると思うけれど、現総理には無理かな。