2010年10月23日土曜日

国際試合を観戦する

フィギュアスケートのNHK杯をテレビ観戦した。

ちょうど中国ペアの出番だった。ショートのトップも中国ペアだったが、最下位も中国ペアで、見ていたときはちょうど最下位の中国ペアの演技が始まったところだった。

22才と17才のペアでまだ若いからミスも多い。会場の観客は静かに観戦し、技が決まれば当然ながら温かい拍手を送っていた。

そこでふと思った。

日中間は最近こそ尖閣諸島の問題で具体的なもめ事を抱えているが、こういうことが起きていなかったときから、中国という国は何かにつけて突っかかってくる不愉快な国だ。

北京五輪の時もひどかった。


と分かっていても、尖閣諸島での事件後はさらに輪をかけてひどい態度になった。

こういう政治的な問題が起きたときに、ノーベル賞のノルウェイも同じ目に遭っているようだが、関係のないところでも、何が何でもこの問題を絡めて威嚇すればいいと思っているようだ。

サッカーのU-20だったかU-18だったか、詳しくないから忘れてしまったが、日本の代表チームはまだ少年ばかりのはずだが、そういう子供に対してでさえ、練習しているときから石を投げるなど、練習を妨害し、試合になれば国旗を引き裂く暴挙の嵐。試合中は相手国を一生懸命応援し、日本が得点すればブーイングする。サッカーに興味はないが、ひたすらそれをするために試合観戦にやってきているかのようだ。

こういう民度の低い国民を見ていると実に不愉快になる。町でも試合会場でもどこででも、何が何でも、いつまでもこだわってしつこく相手を責め続ける。

それは国と国の交渉に任せて、スポーツの世界、文化の世界では気持ちよく交流しようという態度になぜなれないのだろうか。ま、お手本になるべき政府さえもヒステリックになっているのだから、国民がお行儀よく振る舞えるはずはないのだが。

その点、NHK杯の会場のお客さんたちの態度は立派だった。尖閣諸島の事件以来感じ続けてきた不愉快さをみじんも感じさせなかった。会場に関係のない政治的な横断幕も出てこなかった。おそらく中国人のお客さんも恐怖を感じることなく中国国旗を掲げ、自国の選手を応援することができたはずだ。

中国の国民も同じようにして欲しいものだ。無理だとは思うが。

2010年10月9日土曜日

お国柄の違い

中国に拘束されていた最後の一人がようやく解放された。

日本が中国漁船の船長を一人残し、処分保留で釈放したのと、ほぼ同じ拘束期間、釈放理由となった。中国式は目には目を!なのか。ただし、日本は無条件で船長を釈放したが、中国の方は何十万円だかの保釈金まで支払わせたようだ(ただし、一定期間後に返還されるらしい)。

ここで世界に目を転じてみると、

ノーベル賞選考委員会は、中国とノルウェーとの国家関係に深刻な影響が出るとの中国高官の脅しに屈することなく、しっかり中国人の民主主義者を選んだ。

ベトナムでは、領土問題で紛争中の海域で漁船が中国に拿捕され、9人が中国に拘束されているとか。事件が発生したのが尖閣諸島での事件とほぼ同時期だ。中国は国内法で裁き、違法操業に対して罰金を払えば釈放すると言い、ベトナムは、日本の腰抜け政権のようなみっともない真似はせず、「毅然と」罰金の支払いを拒否し、船員の釈放を要求している。ちょうど日中間に生じたのと加害者・被害者が逆になっている。どちらを演じることになっても、中国は強気だ。

そして、こうしてみると弱腰は日本だけだ。これで、フジタの社員が解放された時の首相の記者会見も「ほっとした」。ほっとする前に毅然とした態度を中国に示して欲しかった。

今更言っても仕方がないが、事件発生直後に撮影したビデオを公開しておくべきだった。短期間にせよ公開して、国民にも世界にも、どっちに非があるのかをはっきりさせておくべきだった。

どんなに中国が強硬姿勢を取ろうとも、このグローバル化の情勢の中で完全に孤立する状況だけは中国だって作りたくないはずだし、APECも間近、ノーベル賞でのごたごたも予測され、ベトナム漁船の事件も発生していたのだから、ご自慢の「廊下懇談」のような落としどころを見つけて歩み寄りになるのは当然の帰結だったわけで、そうなる前に真理を明かしておく必要があった。

この「廊下懇談」も、日本側の物欲しげな発言ばかりが聞こえてきて、実に不愉快だった。

しかし、日本の首相がしていて、私が新聞記事で興味深く読んでいるのは、「今日はどこで夕食を取ったかな?」ということだけだ。

連日、赤坂がお好みのようで、会席料理と寿司と焼き肉を順番子に召し上がられている。結構なことだ。

2010年10月7日木曜日

民主党が嫌いなわけ

私は立派な人間ではないが、立派ではないと自覚する分、自分に厳しく、他人に甘い基準を適用するよう努力している。

そうした人間の目から民主党を眺めると、その姿勢はイライラするほど真逆である。

野党時代、鳩山元総理は「秘書が資金の問題で逮捕されたら、私はバッジを外す」と言った。そのように与党である自民党を追求して、実際に議員辞職した議員もいたのだ。

ところが、与党になり、実際に秘書が逮捕されたら、どうだろう。バッジを外すどころか、正式に起訴され、裁判が終わった元秘書さえ、いつの間にか元通りに雇用されているらしい。

さらに、鳩山氏は総理の座を降りたとき、責任を取って次の選挙には出ないとおっしゃったが、その後、この発言を撤回。

代表戦ではあっちを支持すると言ったりこっちを支持すると言ったり、政治家って本当に信頼関係ではなく、損得勘定で結びついているんだな~としっかり納得させてくれた。

尖閣諸島の漁船衝突事件では、「中国の首相と腹を割って話ができる」と断言したとか。でも、オバマ大統領との関係は「Trust me」が徒となって大いにこじれたはず。ひいては日米関係さえおかしくなったままだ。
参院選で惨敗した民主党は、同じく参院選で自民党が惨敗した時は、「直近の民意」という言葉を振りかざして、反対のための反対を貫き、法案をことごとく否決し、日銀総裁もなかなか決まらなかった。しかし、今回は「直近の民意」は特に考慮しなくてもいいとなぜだか考えているようだ。

今の総理は、自分たちが野党時代にやったことをすっかり忘れ、総括もせず、今回の国会では野党の皆さんにご協力をお願いする、お願いしたらご協力いただけると考えているようだ。

今の総理は「知らない」「担当ではない」「見ていない」発言ばかり。それでいて、「やあやあ」廊下懇談は自慢げにぺらぺらとしゃべる。どうせしゃべるなら、自慢げに「領土問題はない、フジタの残る一人を早く釈放しろと言ってやりました」と言って欲しいところだが、どうやらフジタの社員については触れもしなかったようだ。

小沢氏、議員辞職も離党もせず、「秘密のベール」に包まれた「素人集団」の検察審議会の決定に毅然として対応するときっぱり宣言した。

民主党の皆さん、自分たちが野党だったとして、与党の自民党に強制起訴に追い込まれる議員が出てきたらなんと言ったのか、胸に手を当ててよーく考えてみよう。

2010年10月6日水曜日

事業仕分け

もうすぐ事業仕分けの季節がやってくる。

今年も「2番じゃ駄目ですか」的発想の元、文科省関連の予算もどしどし削られるのだろうか。

戦中戦後に若き研究者だった学者が今年も2人、ノーベル賞を受賞した。

先ほどテレビで鈴木章北海道大学名誉教授のコメントを放送していたが、「日本は資源のない国。あるのは人と人の知識」というような発言をなさっていた。

知識を得るための予算は、知識のない人間に裁いて欲しくないと思った。

2010年10月3日日曜日

ビデオを見ていない総理

我が国の総理は尖閣諸島近海で海上保安庁が撮影した中国漁船接触事故のビデオを見ていないと公の席で明言した。

そして今日の午後、ASEMの場を借りて日本の立場を説明するため、現地に向けて出発するそうだ。実際、数カ国との首脳会談も設定されているようだ。

しかし、現実に起きた出来事の生の映像を一度も見ないまま、外国の首脳に我が国の立場を説明するってあり得るのだろうか。映像がないならともかく、映像は確かにあるのだ。

他国の、友好的ではない国の首脳が、「それは、自分では一度も実際に見ていない、人の説明で聞いた事件の話を鵜呑みにしての主張なのか」と聞いてきたらなんて答えるのだろうか。

「いや、あれは国民に誤解を与えたり、失点につながる失言をしたりしないよう、慎重の上にも慎重を期すため、表向きそう発言したまでで」なんて答えようものなら、外交の世界はよく分からないが、「トラストミー」発言で有名な某・前首相以上に信頼が失墜することだろう。

情けないことである。

2010年10月1日金曜日

てっぱんを見て

ゲゲゲの女房の後番組てっぱん。

前の番組が大好きだったので反動でつまらないのではと思ったが、今のところ意外に見られる。

しかし、どうしても腑に落ちない疑問が2つある。

まず、主人公の母親は尾道の主人公の育ての親と親しかったらしいが、子供を産んで亡くなった後、育ての親が八方手を尽くして親類縁者を捜したのだが見つからず、やむを得ずこちらでお寺にお骨を納めたと言うような話をしていた。

しかし、18年近く経ってから、主人公の祖母が尾道にやってきて、どういうマジックなのか、いきなり娘の愛用品であるトランペットをすんなり手に入れてしまう。

トランペットに写真が入っていたので、主人公の現在の家にすぐ来られたという説明には納得がいった。

しかし、娘はすでに死んでいた。孫は何も知らず育ての親に育てられ、すくすくと成長していた。

祖母はそれを知って「何も起きなかったと思え」と言うような置き手紙を残して、それなのに主人公の母の形見であるトランペットは置き去りにしたまま姿を消してしまう。それ、置いたままでは忘れられないでしょう…。

今日の番組で、主人公はトランペットを祖母の元に返しに行った。

「忘れてしまえ」と言い残して姿を消した、急に現れた祖母。住所はどうして分かったのだろうか。

主人公の母が亡くなったとき、どうしても分からなかった親の住所がいつの間にかみんなに分かっているようだ。

老母が娘の形見のトランペットを入手した経緯と主人公が祖母の住所を知った経緯はこれから説明があるのだろうか。せっかく面白いかもと思って見始めたドラマなので、できれば筋書きに齟齬を来すような不自然なところが出ないように脚本家は配慮し、よく原稿を見直して欲しい。

2010年9月30日木曜日

妙な言葉遣い

フジタの社員が中国で拘束されている事件。

何となく聞いていると何とも思わないのだけれど、あれ?と思うと、気になって仕方がなくなる報道の表現が多い。

例えば拘束とか解放。とりあえず、中国は違法な行為があったと言っているのだから、逮捕と釈放と言う言葉を使うのが適切だと思うのだが、なぜだか拘束と解放という言葉が使われることが多い。こういう言い方だと、まるでテロリストのグループや反政府ゲリラに拉致されたみたいだ。

次に翻訳の問題なのかもしれないが、中国の報道官が「日本人が違法行為を認め反省しているので」解放したとコメントしたと言う報道。

一応、日本側の台詞をオウム返しにして「我が国の法律に則って粛々と手続きを進めている」ようなのだが、それだったら犯罪を捜査し、容疑者の取り調べをして、起訴し、司法の判断を出し、釈放が適切であれば釈放するが、とりあえず違法行為をしたのだから裁判になるのは必至で、そうなると裁判の時にすぐに出頭できるように近くにいなければならないのではないだろうか。

でも、報道官の話(あくまでも字幕スーパーだが)によれば、反省しただけで釈放されてしまっている。なぜだか一人を除いて。そして裁判になるとも罰金刑になったとも、そうした処罰に関する説明は一切なかった。

だから、ますますこの逮捕劇が奇異なものに見えてしまう。尖閣諸島絡みでちょうど良いカモを見つけた→人質にって思考回路に思えてしまうのだが、どうなのだろう。

いずれにしても不愉快な事件だ。