2010年6月14日月曜日

はやぶさ

はやぶさが遠い宇宙の旅を終えて帰ってきた。

最初にはやぶさの話を聞いたときは、小さい頃に見たアメリカのテレビ番組の「名犬ラッシー」が頭の中に浮かんできた。細かいことは忘れてしまったが、確か引っ越しの最中に家族と離ればなれになってしまったラッシーがものすごい距離を様々な困難や事件に遭遇しながら移動して、最後にはしっかり家族と再会するというものだった。

でも、今朝テレビではやぶさの映像を見ていたら、分離されたカプセルがすーっと火の玉となって一直線に進んでいったのに対して、その真上に火の粉となってばらばらに燃え尽きるはやぶさの姿がはっきりと見えて、ふと宮沢賢治の「夜鷹の星」という話を思い出した。

ストーリーは全然違うけれど、夜鷹が星を目指してぐんぐん上昇しながら空を昇っていって星になるシーンが火の粉となってまばゆく輝きながら最後にはカプセルの一条の光だけ残して真っ暗になってしまったはやぶさと重なって見えた。

はやぶさは生き物ではないけれど、長い年月を掛けて遠い小惑星まで飛んでいき、迷子になっても、装置が故障しても、何とか管制塔からの指示を受け取って、ばらばらになって燃え尽きてしまうと言うのにちゃんと地球に戻ってきた。はやぶさには哀しいロマンがある。

嫌なニュースばかりの日本で久しぶりに夢のある、そして世界に誇れる快挙で、その感動を共有できてとても嬉しい。

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