2010年6月16日水曜日

事業仕分け

事業仕分けが大嫌いである。自民党と差別化するための民主党の単なるパフォーマンスだと思っている。

だいたい分野が多岐にわたっているのに、事業の継続・非継続を短時間で判断するというのをその分野に素人の政治家・民間人数人で「最初に廃止ありき」の姿勢で仕分けしていくのだから堪らない。見ていてその高姿勢が鼻につく。

中国の文革の時代からも分かるように、人の粗を見つけるのは簡単だ。責めるのも簡単だ。それを地でいっているような気がする。

例えば先日帰還したはやぶさ。

JAXAが事業仕分けに掛けられた段階で、はやぶさは苦難の連続を乗り越えながら地球に向かっている最中だった。

それは調べれば分かることだ。

で、実際に帰還したら首相を初めとして大臣連中が現金にも「快挙だ」と称賛し、びしっと予算を3000万円まで縮減した行政改革相(当時はただの仕分け人)まで「誤り」を示唆しているとか。

すると、はやぶさがもし帰ってこられなかったら、月より先にある、まだ他国のどの探査衛星も行ったことのない前人未踏の遠くの惑星に到達し、着陸して試料を採取し、再び離陸して帰還の旅に出て…と、ここまでは去年の事業仕分けまでにはやぶさが実現していたわけだけれども、そこまでの偉業を達成しながらも、その後結局帰ってこられなかったら、事業仕分けはそのままで、今後の予算は3000万円で決着していたかもしれないのだ。

なぜそう言う仕分け結果が出たのか分からないが、議論が得意な政治家集団と違って仕分けされる側の仕事一辺倒の専門家集団が説得力のある説明・反論を行うことができないというのもあるだろう。そもそも素人が利益不利益だけで判断するからこういうことになるのだと思う。

「なぜ二番ではいけないのでしょうか」

すべてはこの言葉に凝縮されている。

こういう判断しかできない仕分け集団に貴重な国家予算の仕分けを任せるのはもう止めてもらいたいと切に願う。

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