2010年10月9日土曜日

お国柄の違い

中国に拘束されていた最後の一人がようやく解放された。

日本が中国漁船の船長を一人残し、処分保留で釈放したのと、ほぼ同じ拘束期間、釈放理由となった。中国式は目には目を!なのか。ただし、日本は無条件で船長を釈放したが、中国の方は何十万円だかの保釈金まで支払わせたようだ(ただし、一定期間後に返還されるらしい)。

ここで世界に目を転じてみると、

ノーベル賞選考委員会は、中国とノルウェーとの国家関係に深刻な影響が出るとの中国高官の脅しに屈することなく、しっかり中国人の民主主義者を選んだ。

ベトナムでは、領土問題で紛争中の海域で漁船が中国に拿捕され、9人が中国に拘束されているとか。事件が発生したのが尖閣諸島での事件とほぼ同時期だ。中国は国内法で裁き、違法操業に対して罰金を払えば釈放すると言い、ベトナムは、日本の腰抜け政権のようなみっともない真似はせず、「毅然と」罰金の支払いを拒否し、船員の釈放を要求している。ちょうど日中間に生じたのと加害者・被害者が逆になっている。どちらを演じることになっても、中国は強気だ。

そして、こうしてみると弱腰は日本だけだ。これで、フジタの社員が解放された時の首相の記者会見も「ほっとした」。ほっとする前に毅然とした態度を中国に示して欲しかった。

今更言っても仕方がないが、事件発生直後に撮影したビデオを公開しておくべきだった。短期間にせよ公開して、国民にも世界にも、どっちに非があるのかをはっきりさせておくべきだった。

どんなに中国が強硬姿勢を取ろうとも、このグローバル化の情勢の中で完全に孤立する状況だけは中国だって作りたくないはずだし、APECも間近、ノーベル賞でのごたごたも予測され、ベトナム漁船の事件も発生していたのだから、ご自慢の「廊下懇談」のような落としどころを見つけて歩み寄りになるのは当然の帰結だったわけで、そうなる前に真理を明かしておく必要があった。

この「廊下懇談」も、日本側の物欲しげな発言ばかりが聞こえてきて、実に不愉快だった。

しかし、日本の首相がしていて、私が新聞記事で興味深く読んでいるのは、「今日はどこで夕食を取ったかな?」ということだけだ。

連日、赤坂がお好みのようで、会席料理と寿司と焼き肉を順番子に召し上がられている。結構なことだ。

0 件のコメント: