2008年11月9日日曜日

NHK朝の連ドラ

毎朝NHKの連ドラを見るのが習慣になって久しい。

今放送中の連ドラは「だんだん」である。8日の放送を見ていたら、色々あった末に双子の片割れがライブで歌を歌い、もう歌わないと決めていたもう一方の片割れが弟からギターを渡されて意を決してギターを受け取り舞台に上がって歌い出すというシーンがあった。

どこかで見たような...と思ったら、2作前の「ちりとてちん」にこんな場面があったのを思い出した。

このドラマは落語家一門の話とその一門に所属する女噺家の実家の話の2本立てなのだが、落語家一門の方は師匠の徒然亭草若が長いこと高座に上がるのを拒否してしまっていて一門の存続が危ぶまれる危機的状況になっている。女噺家はそんなこととは知らず、ちょっとした縁から師匠の家に下宿させてもらうことになり、噺家を目指すことになり、連ドラだからまあ色々あるのだが、朝の連ドラにしては珍しく、久しぶりに素晴らしい作品だったと私の中では絶賛している作品だ。

で、徒然亭の弟子たちは一門としての活動を再開しようと考え、近所の馴染みの食堂に頼み込み、久しぶりに一門の落語会を開こうとする。多くの困難を乗り越えて無事落語会の当日を迎えるのだが、徒然亭の弟子でもあり跡取りでもある小草若が一席披露しているうちに感極まって泣き出してしまい、高座を降りてしまう。突然そうなったのでどう後を続けていいものか一同が戸惑っていると、その脇をすっと通り過ぎていく人影が...。

誰かと思うまもなく、師匠の徒然亭草若が高座に上がり、蕩々と話し始める。

師匠が高座に上がるのはもう何年も絶えてなかったことで、その間に弟子たちは四散し、一門は存亡の危機を迎えていたのだが、この一件をきっかけにして徒然亭は復活する。

実に感動的な場面だった。朝から心底じーーーーーんときた。

その場面と今回の場面が、ギターを受け取ってすっと画面から消える辺りが似通っていたために「ちりとてちん」の名場面を思い出すことになったのだが、できたらもう少し工夫して、思い出させないくらいの違いは出して欲しかった。

ああいう名作とちょっとそこまでは...的作品は、似ていると思うだけでもムッとする。

もちろん「だんだん」だって全くの駄作とは言わないけれど、スカウトは絶賛しているみたいだが素人目にはそこまでには思えない双子のデュエットと徒然亭草若の落語を同列に扱うようなことだけはして欲しくなかった。両方とも制作はNHKの大阪なんだろうし、その辺の気遣いは欲しかったと思った11月初旬であった。

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