2008年9月16日火曜日

スポーツ選手の強さ

北京でパラリンピックが開催されている。オリンピックでは、中国がメダル獲得でダントツの一位だった。パラリンピックではどうだろうと思ったら、こちらでもやっぱりダントツのようだ。

オリンピックの時から思っていたのだが、今回、日本は旗色が悪かった。もちろん、取れると豪語して出掛けて惨敗したプロ主体のチームもあったけれど、日本の場合、ほとんどの競技がアマチュア選手で占められている。

アマチュアでも国内トップレベルになればさまざまな支援があると想像しているけれど、どうも中国みたいな国とは支援のレベルが違うようだ。

日本では、大体の場合、家族で町を歩いていて、ピアノ教室があったり、柔道教室、野球教室、サッカー教室なんかがあったりして、その前を通りながら、親が何気なく「やってみたい?」なんて聞いてみて、子供が「やってみたい!」と返事したりして、その辺りが入り口となって、最終的には国内トップの選手が生まれているような気がする。

普通はそこそこそスポーツやら音楽やらをやって、飽きてきたり向いていなかったり受験があったりして、小学校の上級学年頃に止めたくなる。実際にほとんどが止めてしまったり、違うものに興味が移ったりする。そんなこんなの中で上手な人、才能のある人が運良く力を付けてくれる組織や指導者に恵まれると、国内トップクラスの実力の持ち主になる。で、オリンピックやパラリンピックにでるわけです。そこまで家族が金銭的にも精神的にも支えている。結構長い年月がかかるはずだ。その間、家族は本人の活躍を心の支えにひたすら辛抱する。

ある程度の実力が発揮されるようになると、本人はオリンピックを目指すようになる。さらに懸命に励むけれど、お金の問題は常について回る。自分も努力し、家族も努力し、場合によっては所属する組織も努力する。そうしていよいよ夢の舞台に出るわけだが、日本人の場合、最近はなかなか勝てない。ハングリー精神に欠けていると言うことも一因かもしれない。その他にはどんな原因が...と考えてみた。

ところが、新聞や雑誌の記事を読むと、中国なんかはそう言う経緯が全然違うらしい。まず、町を歩いていても、そうした教室がないらしい。健常者も障害者も、小さい頃の身体検査で体格の良さや運動神経の良さが認められるとスカウトされて、生活費も国持ちで指定された競技に励むことになるらしい。適性を認めた上での訓練なので効率よく上達するだろうし、それは今回のオリンピックの結果を見ても容易に想像できる。大きな国だから国中からあらゆる種類の人間をかき集めれば、オリンピックで勝てる選手を養成できてしまうらしい。

しかし、それでいいのだろうかと思ってしまう。オリンピックって、今はやたらと派手で豪華な演出があって(特に今回は圧巻だった)、メダル授与式にはとびきりの美女までいて、とにかくものすごいことになっているけれど、一応アマチュアの祭典のはずだ。中国は共産主義と言うくらいだから、最近はちょっと変わってきているけれど、みんなで利益を分け合っているんでしょう? それならアマチュアの祭典にアマチュアの選手が出ているのだろうけれど、最初から自分が選んで、自分がやりたくて、本当にやっているのかな~と思ってしまう。スカウトされたことがきっかけでも、やり始めたら、適性があってどんどんうまくなるし、貧しい家の出身なら生活費がいっさい心配なくなるのでさらに意欲が湧くだろうけれど、でも、どっちかと言えば下手の横好きになるかもしれないけれど、オリンピックは当初の謳い文句通り、自分がやりたいからやり始めた人たちでやって欲しい。国が助成することは程度の差はあれ、どの国もやっているのだけれど、彼の国はちょっとやり方が極端だ。国の規模が大きいから、どんなタイプの選手もすぐに見つかりそうだし、国費も集中的に大規模に使えるみたいだ。しかし、そう言う様子を見ていると、何だか嫌~な気分になってくる。これって、持たない国の人間の僻みかな。

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